
古い町並みとリスの森をめぐる飛騨高山|銀風亭の飛騨牛と光ミュージアム
飛騨の朝は、ひんやりとした空気から始まりました。
リスとふれあい、宮川を渡って城下町を歩き、お昼は飛騨牛。締めはピラミッドの中の美術館まで。
高山をまるごと一日かけて歩いた、初夏の記録です。
朝は坪庭をながめて出発|ゲストハウス紫
泊まったのは、七日町の町家を生かした「ゲストハウス紫」。
畳に布団、廊下の先には浴室の木札。窓の外には、灯籠と苔石を配した小さな坪庭が広がっていました。
青葉が朝露に濡れ、青もみじの影が石にゆらめきます。静かな和の空気のなかで、コーヒーを一杯。
眠気がほどけたところで、いざ高山さんぽへ。
リスと出会う森|リスの森 飛騨山野草自然庭園
最初に向かったのは、市街の南西にある「リスの森 飛騨山野草自然庭園」。
全天候型のサンルームに、エゾリスとシマリスが放し飼いになっています。足を踏み入れると、丸太の水飲み場に一匹がちょこんと座っていました。両手で水をすくうしぐさが、なんとも愛らしい。
園内ではひまわりの種を手にのせてエサやりも。すばしっこく駆けまわる小さなリスを、間近に追いかけました。
隣りあう山野草庭園へ進むと、足もとには季節の草花。苔むした岩のあいだに、淡いピンクのササユリがすっと一輪立ち上がっていました。
せせらぎのほとりには、鮮やかな紅色のクリンソウ。森の湿った土と緑の匂いが、胸いっぱいに広がります。
宮川を渡って城下町へ|中橋と古い町並み
街なかへ戻って、まずは宮川に架かる「中橋」。
朱塗りの欄干が、川面と新緑に映えてあざやかです。橋のたもとには人力車が止まり、いかにも飛騨高山らしい一枚になりました。
橋を渡れば、国の重要伝統的建造物群保存地区「古い町並み」。
黒い格子戸の町家が軒を連ね、造り酒屋の杉玉が下がります。用水路の水音と、観光客のざわめき。江戸の城下町が、そのまま今に続いているようでした。
食べ歩きは岩魚の塩焼き|古い町並み
町並みを歩いていると、香ばしい煙につかまりました。
炭火にずらりと串が立てかけられた、岩魚の塩焼き(1匹700円)。ぱりっと焼けた皮に塩がきいて、川魚らしいほろ苦さとふっくらした身がたまりません。
歩きながらかじる一匹が、なんとも贅沢。飛騨の山の恵みを、いちばん素朴なかたちで味わいました。
お昼は飛騨牛で贅沢に|銀風亭
お昼は、町並みの一角にある料亭「銀風亭」へ。
黒い板塀に大きな提灯が下がる門をくぐると、打ち水された石畳が奥へと続いていました。
いただいたのは、飛騨牛の鉄板焼き膳。熱した鉄板の上で、霜降りの飛騨牛がじゅうじゅうと香ばしく焼き上がります。
ひと切れ口に運ぶと、脂のうまみがとろけて、ごはんが止まりません。山菜の小鉢にお味噌汁、香の物まで添えられて、歩き疲れた体に染みわたりました。
ピラミッドの中の美術館|光ミュージアム
午後は少し郊外へ足をのばして、「光ミュージアム」。
リフレクティングプールの向こうに現れたのは、ベージュの石を積み上げた、まるでマヤ文明の神殿のような巨大建築でした。
中に入ると、息をのむ大空間。ピラミッド型の天窓から自然光が階段状に降りそそぎ、中央には静かな噴水。
化石や考古資料、日本画までを集めた展示は見ごたえたっぷり。建物そのものが作品のような、不思議な美術館でした。
高山駅から帰路へ
一日歩きまわって、最後は高山駅へ。
木とガラスを組み合わせたモダンな駅舎が、夕方の曇り空の下で静かに旅人を見送ります。
リス、町並み、飛騨牛、そして光の神殿。盛りだくさんの飛騨高山を、朝から夕方までめいっぱい味わった一日でした。
前日の富山・津沢あんどん祭から続く、初夏の2日旅。次に訪れる人の道しるべになればうれしいです。



