
プロペラ機で海を越えて屋久島へ|安房に上陸、かもがわの飛魚定食とローカルスーパーの夜
世界自然遺産の島、屋久島へ。
大阪を朝いちばんに発って、飛行機を乗り継ぎ、たどり着いたのは雨の安房。上陸初日の一日を、写真多めでお届けします。
大阪前泊から、早朝の伊丹空港へ
屋久島へは大阪・伊丹空港からの便を取ったので、前夜は梅田にほど近いホテル関西に一泊。朝の弱い身には、空港近くの前泊がありがたい段取りです。
まだ薄暗い時刻に宿を出て、大阪モノレールで伊丹空港へ。高架の窓の向こうに、目覚めはじめた街と遠い山並みが広がっていました。
伊丹から鹿児島まで一本、そこで小さなプロペラ機に乗り継いで屋久島へ。離島取材は、この乗り継ぎ込みの長い移動そのものが旅のはじまりです。
鹿児島で乗り継ぎ、プロペラ機で海を越える
鹿児島空港での乗り継ぎは、SKYCAFEでコーヒーを一杯。早起きの体に、温かいカップがしみわたります。
屋久島行きはプロペラ機。翼から伸びる大きなプロペラの向こうに、真っ白な雲海がどこまでも続きます。やがて機は雲を抜け、深い緑におおわれた島影が見えてきました。ひと月に三十五日雨が降るといわれる島は、この日もしっとりと雲をまとっていました。
ノープランの島歩き、まずは観光案内所へ|屋久島空港
屋久島に着いたのは、しとしとと雨の降る昼前。じつは今回はほとんどノープラン。決めていたのは「翌日にコワーキングスペースで仕事をする」ことだけでした。
そこでまず飛び込んだのが、屋久島空港の観光案内所。「ノープランで来ました」と正直に伝えると、スタッフの方が親身に相談に乗ってくださいました。
手渡されたのは、屋久島交通のバス時刻表と島の地図。「安房まで行けば泊まれますよ」「新札はバスで両替できないから気をつけて」——ガイドブックに載らないローカルな情報が、つぎつぎと出てきます。
レンタカーを使わず、路線バスだけで島を動く取材旅のはじまりです。教わったとおり、安房の「警察署前」でバスを降りました。
飛魚の刺身でお出迎え|レストランかもがわ
お昼は、島の方に教わった一軒、安房のレストラン「かもがわ」へ。
壁のメニューには、飛魚のから揚げ定食、焼き魚定食、そして「島の海の幸」と書かれたお刺身定食。屋久島らしい品が並びます。
運ばれてきたのは、飛魚の開きの塩焼きと、つやつやの刺身がそろった定食。
飛魚は身がしまっていて、ほんのり甘い。焼いた開きは香ばしく、ごはんが進みます。小鉢や亀の手まで添えられて、島の海をまるごといただいたような一皿でした。
「世界自然遺産」の碑と、雨の安房さんぽ
お腹を満たして、雨のなかを少し歩きます。
町の一角に、どっしりとした石碑がありました。「世界自然遺産 屋久島」、平成五年十二月登録の文字が刻まれています。冒頭の見出し写真がその一枚です。
この島が世界に認められた証の前に立つと、これから始まる滞在が少し誇らしく感じられました。
そのまま海のほうへ足をのばすと、雨に煙る安房川の河口が静かに広がっていました。海沿いの道のコンクリートが雨に濡れてしっとりと光り、対岸の集落がうっすらとかすんでいます。
今夜の宿と、スーパーで島の味を|民宿とまり・Aコープ安房店
一日目の宿は、安房の町なかにある「民宿とまり」。絨毯にちゃぶ台、押し入れの布団という、昔ながらのつくりの和室にほっとします。
夕方、傘をさして向かったのは「Aコープ安房店」。島の暮らしを支える、地元のスーパーです。
山を背にした大きな平屋。雨に濡れた広い駐車場には地元ナンバーの車が並び、観光客向けというより、島の生活そのものの匂いがする店構えです。買い出しがてら、土地の食卓をのぞくつもりで中へ。
惣菜コーナーには地のものがずらり。お寿司に煮物、串に刺さった揚げ物、それにかごしま緑茶とゆずジュースまで買い込みました。
宿の部屋に持ち帰って、ささやかな宴。観光地のごちそうもいいけれど、その土地のスーパーをのぞくと、暮らしの手ざわりが見えてきます。これも取材の醍醐味です。
長い移動を越えて、ようやく「屋久島に来たな」という実感がわいた一日。明日は島の南、平内のコワーキングスペースをめざします。




